【2020年最新】DTM・音楽制作に最適なMacの選び方・オススメ機種
※2020年5月4日発売の新型MacBook Pro 13インチの情報を追加しました。
DTM・音楽制作用にMacの購入を検討していまして、僕と同じように検討している方のために、現行のMacのラインナップの各モデルと性能を比較し、初心者〜中級者にオススメの機種をまとめました。
結論から言いますと、ノートブックなら「MacBook Pro 13インチ」か「MacBook Pro 16インチ」、デスクトップなら「Mac mini」か「iMac 27インチ」がオススメです。
現行のMacのラインナップ
- MacBook Air
- MacBook Pro 13インチ
- MacBook Pro 16インチ
- Mac mini
- iMac 21.5インチ
- iMac 27インチ
- iMac Pro
- Mac Pro
今回は初心者〜中級者の DTM ユーザーを想定して紹介しますので、価格が50万円を超える「iMac Pro」「Mac Pro」は除外して、「MacBook Air」「MacBook Pro 13インチ」「MacBook Pro 16インチ」「Mac mini」「iMac 21.5インチ」「iMac 27インチ」の6モデルについて比較していきます。
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MacBook Air
MacBook Pro Air は、13.3インチの Retina ディスプレイを搭載したノートパソコンタイプのMacです。
現行モデルは2020年に発売され、前モデルとの比較で性能が大きく向上されました。CPU・SSDの違いで2モデルあります。
MacBook Air の仕様・性能
デフォルトの仕様はメモリが8GBですが、DTMでの利用を想定して、メモリは16GB(プラス20,000円)に揃えています。
機種 | MacBook Air 下位モデル |
MacBook Air 上位モデル |
MacBook Air カスタマイズ |
---|---|---|---|
CPU | 第10世代Intel Core i3 1.1GHz 2コア | 第10世代Intel Core i5 1.1GHz 4コア | 第10世代Intel Core i7 1.2GHz 4コア |
メモリ | 16GB 3,733MHz LPDDR4X | 16GB 3,733MHz LPDDR4X | 16GB 3,733MHz LPDDR4X |
グラフィックス | Intel Iris Plus Graphics | Intel Iris Plus Graphics | Intel Iris Plus Graphics |
ストレージ | 256GB SSD | 512GB SSD | 1TB SSD |
価格(税別) | ¥124,800 | ¥154,800 | ¥189,800 |
Geekbench 5 Single-Core | 1,002 | 1,058 | 1,100 |
Geekbench 5 Multi-Core | 2,002 | 2,656 | 2,838 |
MacBook Air 下位モデル
最新の第10世代Intel Core プロセッサ搭載により、CPUのシングルコア性能は「MacBookPro」や「iMac」「Mac mini」にも劣らない値を出しています。軽い作業においては不満のないレベルです。
しかし、CPUはデュアルコアの Core i3 のため、マルチコア性能は「MacBook Pro 13インチ」の半分程度しかなく、プラグインやソフト音源を多数動かすようなDTMは厳しいと思われます。
マルチトラックレコーダー的な使い方を中心にして、プラグインやソフト音源を極力使わないDTMであれば何とかできるかもしれません。
MacBook Air 上位モデル
下位モデルからSSDが512GBに増量され、CPUがクアッドコアの Core i5 になったことでマルチコア性能が約33%向上したモデルです。
一昔前のデスクトップPC並みの性能に近づき、最近のDAWでも軽量な作業であれば十分に動かせるレベルです。
しかし、プラグインやソフト音源の使用にはある程度制限が出る場面もあると思います。
MacBook Air カスタマイズ
CPUを「Core i7 1.2GHz 4コア」に、SSDを1TBに変更したカスタマイズ例です。
CPUのマルチコア性能は上位モデルから7%程度の向上にとどまり、大きくは変わりません。
最上位のCPUに変更したとしても、MacBook Air ではプラグインやソフト音源を多数使ったDTMを行うのは厳しいでしょう。
MacBook Air のメリット
- 現行の MacBook シリーズで最軽量(重さ1.29kg)
- 10万円台前半から購入できる安さ
- 最新の第10世代Intel Core プロセッサ搭載
- シングルコア性能は上位機種と遜色ない
軽い・安い・最新が魅力のMacBook Air。 CPUに負荷のかかる重たい作業を行わないのであれば、日常使いに便利だと思います。
MacBook Air のデメリット
- マルチコア性能が低い
- グラフィックス性能が低い
プラグインやソフト音源を多数使ったDTMや、動画編集では、動きが重たい・遅い場面が発生する可能性が高いです。
本格的な制作業務に使用するのであれば、iMac や MacBookPro をオススメします。
MacBook Air でDTMができるのか?
「MacBook Air でDTMができるのか?」の問いに対しては、「できなくはないが、限界が来るのが早い。」という回答になります。
MacBook Pro 13インチ
MacBook Pro 13インチ は、13.3インチの Retina ディスプレイを搭載したノートパソコンタイプのMacです。
現行モデルは2019年に発売され、CPU・SSD・Thunderbolt 3ポート数の違いで4モデルあります。
【追記】2020年5月4日、新型の「MacBook Pro 13インチ」が発売されました。
2020年モデルの上位モデルの「MacBook Pro 13インチ」は、CPUが「第10世代Intel Core プロセッサ」となり、性能の大幅な向上が期待されます。
MacBook Pro 13インチ の仕様・性能
4モデルのうち、下から2番目、最上位、最上位をカスタマイズした3パターンを比較してみます。
2020年モデルの新型「MacBook Pro 13インチ」の仕様は以下の通りです。
機種 | MacBook Pro 13インチ 下位モデル |
MacBook Pro 13インチ 上位モデル |
MacBook Pro 13インチ カスタマイズ |
---|---|---|---|
CPU | 第8世代Intel Core i5 1.4GHz 4コア | 第10世代Intel Core i5 2.0GHz 4コア | 第10世代Intel Core i7 2.3GHz 4コア(オプション) |
メモリ | 16GB 2,666MHz LPDDR3(オプション) | 16GB 3,733MHz LPDDR4X | 32GB 3,733MHz LPDDR4X(オプション) |
グラフィックス | Intel Iris Plus Graphics 645 | Intel Iris Plus Graphics | Intel Iris Plus Graphics |
ストレージ | 512GB | 1TB | 1TB |
価格(税別) | ¥164,800 | ¥208,800 | ¥268,800 |
Geekbench 5 Single-Core | 1,020 | 1,271 | 1,361 |
Geekbench 5 Multi-Core | 4,019 | 4,489 | 4,885 |
2019年モデルの「MacBook Pro 13インチ」の仕様は以下の通りでした。
デフォルトの仕様はメモリが8GBですが、DTMでの利用を想定して、メモリは16GB(プラス20,000円)に揃えています。
機種 | MacBook Pro 13インチ 下位モデル |
MacBook Pro 13インチ 上位モデル |
MacBook Pro 13インチ カスタマイズ |
---|---|---|---|
CPU | 第8世代Intel Core i5 1.4GHz 4コア | 第8世代Intel Core i5 2.4GHz 4コア | 第8世代Intel Core i7 2.8GHz 4コア(オプション) |
メモリ | 16GB 2,133MHz LPDDR3(オプション) | 16GB 2,133MHz LPDDR3(オプション) | 16GB 2,133MHz LPDDR3(オプション) |
グラフィックス | Intel Iris Plus Graphics 645 | Intel Iris Plus Graphics 655 | Intel Iris Plus Graphics 655 |
ストレージ | 256GB SSD | 512GB SSD | 1TB SSD(オプション) |
価格(税別) | ¥179,800 | ¥240,800 | ¥292,800 |
Geekbench 5 Single-Core | 928 | 952 | 1,103 |
Geekbench 5 Multi-Core | 3,827 | 3,909 | 4,196 |
MacBook Pro 13インチ 下位モデル
4モデルのうち下から2番目にあたる、CPUが「Core i5 1.4GHz 4コア」、SSDが512GB、Thunderbolt 3ポートは2つのモデルです。
2020年モデルの新型「MacBook Pro 13インチ」の下位モデルは、CPUは2019年モデルから変更がありませんが、メモリが「2,133MHz LPDDR3」から「2,666MHz LPDDR3」にクロックアップし、8GBから16GBへの変更は10,000円アップで済むようになりました(2019年モデルは20,000円アップ)。
さらにSSDは2倍の容量となり、最下位モデルでも256GB、下から2番目のモデルでは512GBを搭載。実質値下げとなり、2019年モデルとほぼ同じ構成とした場合は15,000円安くなりました。
CPU性能は「Mac mini 下位モデル」や「iMac 21.5インチ 4K 下位モデル」を上回っており、ノートパソコンとしては高性能な部類です。
グラフィックス性能は低いため、動画制作にはオススメできません。
価格は「iMac 21.5インチ 4K 下位モデル」より18,000円安くなったため、動画制作をほとんど行わないのであれば、持ち運びしやすい「MacBook Pro 13インチ 下位モデル」を選択することもアリだと思います。
MacBook Pro 13インチ 上位モデル
CPUが「第10世代Intel Core i5 2.0GHz 4コア」、SSDが1TB、Thunderbolt 3ポートは4つのモデルです。
2020年モデルの新型「MacBook Pro 13インチ」の上位モデルは、CPUが「第10世代Intel Core プロセッサ」にアップデートされ、メモリもデフォルトで16GBを搭載。さらにメモリは容量だけでなく「3,733MHz LPDDR4X」にアップデートされており、さらなる性能の向上が期待できます。
グラフィックス性能は、2019年モデルと比べて最大80%向上しているとのことで、ゲームや動画制作に対しての性能向上も見込めます。
SSDは2倍の容量となり、最上位モデルではデフォルトで1TBを搭載しています。
2019年モデルではCPUをアップグレードしてもマルチコア性能があまり変わらなかったのですが、2020年モデルではCPUが「第10世代Intel Core プロセッサ」にアップデートされたことで性能の向上が期待できます。
2020年モデルのベンチマークは今後出てくることになりますが、スコア次第ではかなりオススメのモデルになりそうです。
MacBook Pro 13インチ カスタマイズ
上位モデルから、CPUを「第10世代Intel Core i7 2.3GHz 4コア」に(プラス20,000円)、メモリを32GBに(プラス40,000円)変更、SSDはそのまま1TBとしたカスタマイズ例です。価格は税別268,800円となりました。
2019年モデルで同程度の構成にすると30万円を越えていたので、性能を向上しつつ価格は大幅に抑えられることになります。
CPU性能はおそらく「iMac 27インチ」の下位モデルに匹敵するところまで向上すると見られるので、本格的なDTMにも対応できるレベルになるのではないかと思います。
MacBook Pro 13インチ のメリット
- 重さ1.40kgで持ち運びしやすい
- 下位モデルでもそこそこの性能がある
- 2020年モデルでコストパフォーマンスが大きく向上した
持ち運びしやすいことが「MacBook Pro 13インチ」の最大のメリットです。
現行の 「Mac mini 下位モデル」や「iMac 21.5インチ 4K 下位モデル」を上回るCPU性能があり、初心者〜中級者のDTMには十分に対応可能です。
2020年モデルではSSDの容量アップと上位モデルのCPU性能向上でコストパフォーマンスが大幅に改善され、上位モデルではより本格的なDTMにも対応できる性能を持つことが期待されます。
MacBook Pro 13インチ のデメリット
- 下位モデルはグラフィックス性能が低い
下位モデルはグラフィックス性能が低く、動画編集などのグラフィックス性能が求められる作業にはオススメできません。上位モデルは、2019年モデルと比較してグラフィックス性能が約80%向上したとされており、動画編集への対応力が高まりました。
2019年モデルではCPUを上位のものに変更しても性能がほとんど向上しませんでしたが、2020年モデルでは上位モデルのCPUが第10世代Intel Core プロセッサにアップデートされたことで、CPU性能のデメリットはほぼなくなりました。
2020年モデルの新型「MacBook Pro 13インチ」は、予算に応じて下位モデル・上位モデルともにオススメできます。
MacBook Pro 16インチ
MacBook Pro 16インチ は、16インチの Retina ディスプレイを搭載したノートパソコンタイプのMacです。
現行モデルは2019年に発売され、ノートパソコンでありながらデスクトップの iMac と並ぶ性能を持っています。
MacBook Pro 16インチ の仕様・性能
MacBook Pro 16インチ は、デフォルトから16GBのメモリを搭載しています。
機種 | MacBook Pro 16インチ 下位モデル |
MacBook Pro 16インチ 上位モデル |
MacBook Pro 16インチ カスタマイズ |
---|---|---|---|
CPU | 第9世代Intel Core i7 2.6GHz 6コア | 第9世代Intel Core i9 2.3GHz 8コア | 第9世代Intel Core i9 2.4GHz 8コア(オプション) |
メモリ | 16GB 2,666MHz DDR4 | 16GB 2,666MHz DDR4 | 32GB 2,666MHz DDR4(オプション) |
グラフィックス | AMD Radeon Pro 5300M 4GB GDDR6 | AMD Radeon Pro 5500M 4GB GDDR6 | AMD Radeon Pro 5500M 8GB GDDR6 |
ストレージ | 512GB SSD | 1TB SSD | 2TB SSD(オプション) |
価格(税別) | ¥248,800 | ¥288,800 | ¥398,800 |
Geekbench 5 Single-Core | 1,026 | 1,079 | 1,117 |
Geekbench 5 Multi-Core | 5,409 | 6,656 | 6,977 |
MacBook Pro 16インチ 下位モデル
CPUのマルチコア性能は Mac mini のカスタマイズモデルや iMac 27インチの上位モデルなどのデスクトップモデルと同程度あり、ストレージは512GB SSD を搭載。DTM初心者〜中級者には十分すぎるほどの高スペックを備えています。
グラフィックス性能は、CPU内蔵の Mac mini と比較すると5倍以上、iMac 27インチ上位モデルの6割程度の能力を持っていおり、動画制作にも対応できます。
MacBook Pro 16インチ 上位モデル
下位モデルと比較して価格は40,000円上昇し、CPUマルチコア性能は23%上昇、SSDは1TBに増加。グラフィックス性能もやや上積みがあります。
CPU性能の他機種との比較では、iMac 21.5インチ カスタマイズモデルや、iMac 27インチ上位モデルを上回ります。
MacBook Pro 16インチ カスタマイズ
CPUを「Core i9 2.4GHz 8コア」に、メモリを32GBに、SSDを2TBに、グラフィックスを「AMD Radeon Pro 5500M 8GB GDDR6」に変更したカスタマイズ例です。
上位モデルとCPUはクロック数しか変わらないので、CPU性能は僅かな上昇にとどまりますが、メモリやSSDの増加による余裕が広がります。
価格は上位モデルから11万円も上昇するので、バリバリ制作業務を行うプロ向けです。
MacBook Pro 16インチ のメリット
- iMac 27インチモデル並みの高性能
- 16インチ Retina ディスプレイ搭載
- 持ち運び可能
下位モデルからiMac並みのDTMに十分な性能を持っているので、仕様やカスタマイズの知識がなくても「MacBook Pro 16インチ」を選べば間違いありません。
MacBook Pro 16インチ のデメリット
- 価格は高め(税別248,800円〜)
- 持ち運ぶには少し重い(重量2kg)
税別248,800円からのスタートで価格は高めですが、iMac 27インチ上位モデル並みのCPU性能で、持ち運びも可能なことを考えると、コストパフォーマンスはかなり高いと思います。
重量は2kgと重めなので、頻繁に持ち歩いたり、膝の上に乗せて長時間の作業は辛いと思います。
実際の利用は、基本はデスク上での作業で、スタジオ作業などの際に持ち出すようなイメージになるかと思います。
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Mac mini
Mac mini は、コンパクトなデスクトップタイプのMacです。
2020年に新型が発売されたばかりで、現行の Mac のラインナップの中では低価格ながらCPU性能が高く、DTM用 Mac としてコストパフォーマンスに優れた選択です。
Mac mini の仕様・性能
デフォルトの仕様はメモリが8GBですが、DTMでの利用を想定して、メモリは16GB(プラス20,000円)に揃えています。
機種 | Mac mini 下位モデル | Mac mini 上位モデル | Mac mini カスタマイズ |
---|---|---|---|
CPU | 第8世代Intel Core i3 3.6GHz 4コア | 第8世代Intel Core i5 3.0GHz 6コア | 第8世代Intel Core i7 3.2GHz 6コア(オプション) |
メモリ | 16GB 2,666MHz DDR4(オプション) | 16GB 2,666MHz DDR4(オプション) | 16GB 2,666MHz DDR4(オプション) |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 630 | Intel UHD Graphics 630 | Intel UHD Graphics 630 |
ストレージ | 256GB SSD | 512GB SSD | 1TB SSD(オプション) |
価格(税別) | ¥102,800 | ¥132,800 | ¥172,800 |
Geekbench 5 Single-Core | 910 | 1,014 | 1,120 |
Geekbench 5 Multi-Core | 3,258 | 4,752 | 5,639 |
Mac mini 下位モデル
CPUが「Core i3 3.6GHz 4コア」ですが、「2017年 iMac 27インチ 下位モデル」と同程度のCPU性能があります。
SSDが256GBしかないので、本格的にDTMをやるには容量不足に感じます。初期投資は抑えるには良いですが、容量不足には外部ストレージで対応していく必要があります。
Mac mini 上位モデル
下位モデルからプラス30,000円でSSDが512GBに増え、CPUが「Core i5 3.0GHz 6コア」になってマルチコア性能が1.5倍程度アップします。
DTM初心者〜中級者には十分なスペックを持ち、コストパフォーマンスも高いのでオススメです。
Mac mini カスタマイズ
上位モデルからプラス20,000円でCPUを「Intel Core i7 3.2GHz 6コア」ランクアップさせ、さらにプラス20,000円でSSDを1TBに増やしたカスタマイズ例です。
CPUを「Intel Core i7 3.2GHz 6コア」に変更すると、現行の「iMac 27インチ 上位モデル」と同等のCPU性能を持ちながらも価格は税込みでも20万円以内に抑えることができ、コストパフォーマンスが高いです。
同等のCPU性能を iMac や MacBook Pro で得ようとすると、税込みでは20万円台後半から30万円程度になります。
Mac mini のメリット
- CPU性能のコストパフォーマンスが高い
- 1TBのSSDを比較的低価格で搭載できる
- コンパクト
- 持ち運べなくもない(本体重量1.3 kg)
すでにディスプレイ・キーボード・マウスをお持ちであれば、DTM用 Mac としてコストパフォーマンスに優れた選択です。
Mac mini のデメリット
- ディスプレイ・キーボード・マウスが別売り
- グラフィックス性能が低い
ディスプレイ・キーボード・マウスが別売り
Mac mini はディスプレイ・キーボード・マウスが別売りのため、これらをお持ちでない場合は追加で3〜5万円程度の費用がかかります。
iMac や MacBook であればディスプレイは一体型であり、iMac にはキーボードとマウスが付属、MacBook はキーボードとトラックパッドも一体化されているので、追加費用はかかりません。
グラフィックス性能が低い
Mac mini に搭載されるGPU「Intel UHD Graphics 630」はCPUに内蔵されたグラフィックス機能です。
外部GPUを搭載する iMac(21.5 インチ or 27 インチ) や MacBook Pro(16インチ)と比較すると、Mac mini のグラフィックス性能は圧倒的に低いです。
音楽制作だけでなく、動画編集も頻繁に行う場合は、外部GPUを搭載する iMac(21.5 インチ or 27 インチ) や MacBook Pro(16インチ)がオススメです。
Mac mini に別売りの外部GPU(eGPU)を接続してグラフィックス性能をアップすることもできますが、概ね5万円以上の追加出費となり、コストパフォーマンスが低下するためオススメしません。
グラフィックス性能を求めるなら、iMac 27インチか MacBook Pro 16インチがオススメです。
iMac 21.5インチ
iMac 21.5インチ は、21.5インチの Retina 4K ディスプレイを搭載した一体型デスクトップタイプのMacです。
比較的コンパクトながら、高精細な Retina 4K ディスプレイを搭載していることが特徴です。
現行モデルは2019年に発売され、デフォルトの性能はあまり高くありませんが、カスタマイズすることで十分なスペックに仕立てることができます。
iMac 21.5インチ の仕様・性能
デフォルトの仕様はメモリが8GBですが、DTMでの利用を想定して、メモリは16GB(プラス20,000円)に揃えています。
また、iMac 21.5インチ はデフォルトのストレージが「1TB HDD」または「1TB Fusion Drive」ですが、DTM用としてはパフォーマンスが劣るためSSDに変更しています。
4Kディスプレイではない「フルHDディスプレイモデル」は、2020年に買うDTM用Macとしては性能が低いため除外しました。
機種 | iMac 21.5インチ 4K 下位モデル |
iMac 21.5インチ 4K 上位モデル |
iMac 21.5インチ 4K カスタマイズ |
---|---|---|---|
CPU | 第8世代Intel Core i3 3.6GHz 4コア | 第8世代Intel Core i5 3.0GHz 6コア | 第8世代Intel Core i7 3.2GHz 6コア(オプション) |
メモリ | 16GB 2,400MHz DDR4(オプション) | 16GB 2,666MHz DDR4(オプション) | 16GB 2,666MHz DDR4(オプション) |
グラフィックス | Radeon Pro 555X 2GB GDDR5 | Radeon Pro 560X 4GB GDDR5 | Radeon Pro 560X 4GB GDDR5 |
ストレージ | 256GB SSD(オプション) | 512GB SSD(オプション) | 1TB SSD(オプション) |
価格(税別) | ¥182,800 | ¥214,800 | ¥254,800 |
Geekbench 5 Single-Core | 913 | 1,012 | 1,132 |
Geekbench 5 Multi-Core | 3,252 | 4,751 | 6,208 |
iMac 21.5インチ 下位モデル
メモリはデフォルトの8GBから16GBに変更(プラス20,000円)、ストレージはデフォルトの「1TB HDD」から「256GB SSD」に変更(プラス20,000円)しています。
これだけカスタマイズをして、CPUやストレージの性能は「Mac mini 下位モデル」と同等。「Mac mini 下位モデル」との価格差は80,000円あります。
「Mac mini 下位モデル」に上回る点は、21.5インチ4Kディスプレイを搭載すること、外部GPU搭載でグラフィックス性能が高いこと、キーボード・マウスが付属することの3点です。
iMac 21.5インチ 上位モデル
メモリはデフォルトの8GBから16GBに変更(プラス20,000円)、ストレージはデフォルトの「1TB HDD」から「512GB SSD」に変更(プラス30,000円)しています。
これだけカスタマイズをして、CPUやストレージの性能は「Mac mini 上位モデル」と同等。「Mac mini 上位モデル」との価格差は82,000円あります。
「Mac mini 上位モデル」に上回る点は、21.5インチ4Kディスプレイを搭載すること、外部GPU搭載でグラフィックス性能が高いこと、キーボード・マウスが付属することの3点です。
iMac 21.5インチ カスタマイズ
CPUを「Core i7 3.2GHz 6コア」に、ストレージを「1TB SSD」に変更したカスタマイズ例です。
ここまでカスタマイズすると、初心者〜中級者のDTM用Macとしては十分すぎるスペックに仕上がります。
iMac 21.5インチ のメリット
- 21.5インチ Retina 4K ディスプレイを搭載
- グラフィックス性能が高い
- キーボード・マウスが付属
27インチモデルほどではありませんが、グラフィックス性能が高く、動画編集もこなすスペックがあります。
iMac 21.5インチ のデメリット
- ディスプレイが21.5インチとやや小さい
- デフォルトはストレージ性能が低い
- DTM用としてはコストパフォーマンスが低い
21.5インチ Retina 4K ディスプレイを搭載しますが、現在は24インチ以上のディスプレイが普及していることを考えるとサイズは小さめ。一方、4Kの高精細さは魅力です。
ストレージはデフォルトが「1TB HDD」もしくは「1TB Fusion Drive」であり、読み込み速度に不安があります。快適な作業環境のためには、SSDへのカスタマイズが必須です。
これらを考えると、DTM用としては、次に紹介する Mac mini とお好みのディスプレイを組み合わせた方がコストパフォーマンスが高いです。
iMac 27インチ
iMac 27インチ は、27インチの Retina 5K ディスプレイを搭載した一体型デスクトップタイプのMacです。CPUとグラフィックスの性能が高いことと、高精細な Retina 5K ディスプレイを搭載していることが特徴です。
現行モデルは2019年に発売され、初心者〜中級者のDTM用 Mac としては十分なスペックを持っています。
iMac 27インチ の仕様・性能
デフォルトの仕様はメモリが8GBですが、DTMでの利用を想定して、メモリは16GB(プラス20,000円)に揃えています。
また、下位モデルのストレージはデフォルトが「1TB Fusion Drive」ですが、DTM用としてはパフォーマンスが劣るため(後述)「2TB Fusion Drive」(プラス20,000円)に変更しています。
機種 | iMac 27インチ 5K 下位モデル | iMac 27インチ 5K 上位モデル | iMac 27インチ 5K カスタマイズ |
---|---|---|---|
CPU | 第8世代Intel Core i5 3.0GHz 6コア | 第9世代Intel Core i5 3.7GHz 6コア | 第9世代Intel Core i9 3.6GHz 6コア(オプション) |
メモリ | 16GB 2,666MHz DDR4(オプション) | 16GB 2,666MHz DDR4(オプション) | 16GB 2,666MHz DDR4(オプション) |
グラフィックス | Radeon Pro 570X 4GB GDDR5 | Radeon Pro 580X 8GB GDDR5 | Radeon Pro 580X 8GB GDDR5 |
ストレージ | 2TB Fusion Drive(オプション) | 2TB Fusion Drive | 1TB SSD(オプション) |
価格(税別) | ¥238,800 | ¥273,800 | ¥343,800 |
Geekbench 5 Single-Core | 1,013 | 1,132 | 1,244 |
Geekbench 5 Multi-Core | 4,854 | 5,399 | 8,246 |
iMac 27インチ 下位モデル
CPU性能は「MacBook 13インチ」よりも高く、「Mac mini 上位モデル」と同程度あり、DTM初心者〜中級者には十分なスペックです。
ストレージがデフォルトでは「1TB Fusion Drive」であり、読み込み速度に不安がありますが、プラス20,000円の「2TB Fusion Drive」に変更すると改善されます。
「Fusion Drive」は、SSDとHDDを組み合わせることで比較的低価格で高速化と大容量化を実現していますが、高速化に重要なSSDの容量が「1TB Fusion Drive」では32GBしかないため、比較的ファイルサイズの大きい読み込みが発生するDTMでは容量が不足しがちになり、読み込み速度の低下が発生しやすくなります。
一方、「2TB Fusion Drive」では128GBのSSDを搭載しており、動作速度の低下が起こりにくくなるので、「iMac 27インチ 下位モデル」を選択する際はストレージを「2TB Fusion Drive」に変更することをオススメします。
iMac 27インチ 上位モデル
下位モデルと比較して価格差は35,000円ありますが、CPUのマルチコア性能は約11%アップ、グラフィックス性能は40%程度アップします。
他機種と比較すると、Mac mini の Core i5 を搭載した上位モデルよりは性能が高いものの、Core i7 にカスタマイズした Mac mini よりは低く、MacBook Pro 16インチの下位モデルと同等です。
DTM用途として考えると、CPU性能の11%アップに35,000円を追加するのはコストパフォーマンスが悪いと思います。
それならば、下位モデルのストレージを1TBのSSDに変更した方が体感速度が向上されるでしょう。下位モデルをメモリ16GB、ストレージを1TBのSSDに変更した場合、価格は¥268,800(税別)となり、上位モデルより低く抑えられます。
グラフィックス性能の向上は40%程度と大きいため、動画編集を頻繁に行う場合は、上位モデルにするメリットがあります。
iMac 27インチ カスタマイズ
上位モデルからCPUを「Core i9 3.6GHz 6コア」に変更、ストレージを1TB SSDに変更したカスタマイズ例です。
下位モデルと比較すると、CPUのマルチコア性能は約70%アップと大幅に向上します。しかし、価格も大幅に上昇。性能的にも価格的にもプロ向けの領域です。
iMac 27インチ のメリット
- 27インチ Retina 5K ディスプレイを搭載
- グラフィックス性能が高い
- キーボード・マウスが付属
- ディスプレイを含めたコストパフォーマンスが高い
27インチの大きなディスプレイを持ち、作業効率が高い作業環境を構築することができます。
グラフィックス性能が高く、動画編集を行うにも十分なスペックがあります。音楽制作だけでなく、動画制作にも使用するなら iMac はオススメです。
ハイスペックな5Kディスプレイとキーボード・マウスまで付属することを考えると、コストパフォーマンスは高いです。
iMac 27インチ のデメリット
- デカい
- 持ち運びできない
- CPU性能に対するコストパフォーマンスは低い
高さ51.6 cm・幅65.0 cm・スタンドの奥行き20.3 cmと大きく、重量は9.42kgと重いため、持ち運びできません。設置場所のスペースも必要です。
CPUをカスタマイズしない下位モデル・上位モデルまでなら、同程度のCPU性能を Mac mini でも得ることができるため、CPU性能に対するコストパフォーマンスは低いです。
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結局どのMacがDTMにオススメなのか?
十分な設置スペースと予算があり持ち出さないなら
「iMac 27インチ」がオススメです。
オススメの構成は、CPUが「Core i5 3.0GHz 6コア」の下位モデルをベースに、メモリを16GB、ストレージを512GBのSSDに変更して、税別248,800円です。
十分な予算はあるが設置スペースが狭くてたまに持ち出すなら
「MacBook Pro 16インチ」がオススメです。
オススメの構成は、CPUが「Core i7 2.6GHz 6コア」の下位モデルで税別248,800円です。
カスタマイズをしなくても、メモリは16GB、ストレージは512GBのSSDを搭載しており、十分に高性能です。
持ち出さないのでなるべく費用を抑えたいなら
「Mac mini」がオススメです。
オススメの構成は、CPUが「Core i5 3.0GHz 6コア」の上位モデルをベースに、メモリを16GBに変更して、ストレージはそのまま512GBのSSDで税別132,800円です。
キーボード・マウス・ディスプレイは別売りなので、手持ちのものを流用するか、手持ちがなければ別途購入する必要があります。
グラフィックス性能は低いので、本格的な動画制作には不向きです。
頻繁に持ち出すなら
「MacBook Pro 13インチ」がオススメです。
オススメの構成は、4モデルのうち最上位のモデルで、CPUが「第10世代Intel Core i5 2.0GHz 4コア」、メモリが16GB、ストレージが1TBのSSDで、税別208,800円です。
予算を抑えるなら、4モデルのうち下から2番目のCPUが「第8世代Intel Core i5 1.4GHz 4コア」のモデルをベースに、メモリを16GBに変更、ストレージを512GBのSSDで変更せず、税別164,800円です。
オススメしないMac
iMac 21.5インチモデル
iMac 21.5インチモデルは、下位モデルではCPU性能が低く、上位モデルにする必要があります。また、デフォルトのストレージがHDDまたは「Fusion Drive」のため、快適な作業のためにはSSDへの変更が必須な状況です。
そうすると価格が「MacBook Pro 16インチ」に近づくので、より高性能なCPUを搭載する「MacBook Pro 16インチ」を買った方が良いと思います。
MacBook Air
ウェブ閲覧や動画視聴、メールの送受信など、軽い作業をする分には十分な性能がありますが、本格的な音楽制作や動画制作などを行うには性能が不十分です。
同価格帯であれば、持ち運びが必要なら「MacBook Pro 13インチ」、持ち運び不要なら「Mac mini」がオススメです。
音楽制作にはオーディオインターフェイスとDAWソフトも必要
Macを購入すると「GarageBand」という初心者向け音楽制作ソフトが付いてきますが、楽器を接続するために必要なオーディオインターフェイスと、本格的な音楽制作ができるDAW(Digital Audio Workstaion)ソフトを購入する必要があります。
低価格帯のオーディオインターフェイスは各社製品の機能差が少ないことと、オーディオインターフェイスを購入するとDAWソフトが付属する場合が多いので、どのDAWを使用するかによってオーディオインターフェイスを選んでも良いでしょう。
オーディオインターフェイスについては、またの機会にご紹介します。
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