新型コロナウイルス・ワクチン接種率と感染者数の関係を調査 第6波は来るのか?コロナ前の生活にはいつ戻れるのか?

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新型コロナウイルスの感染者数は、2021年8月をピークにして9月以降は減少が続いています。ワクチン接種は、2021年7月末までに65歳以上への接種がほぼ終わり、2021年8月以降は64歳以下への接種が進んでいる段階です。

また直近(2021年10月1週目)では、東京都の感染者の減少が大きく、大阪府の感染者数が東京都を上回る状況が見られます。ワクチン接種の進捗と感染者数に関連があるのではないかと思い、東京都・大阪府・沖縄県、そして僕が住む京都市のワクチン接種率を調べてみました。

東京都のワクチン接種率

東京都の2021年10月7日時点の接種率は以下の通り。

年齢 1回目 2回目
12〜19歳 61.7% 41.2%
20〜29歳 62.2% 48.8%
30〜39歳 66.8% 54.3%
40〜49歳 73.2% 63.3%
50〜59歳 80.2% 72.9%
60〜69歳 85.4% 82.5%
70〜79歳 89.9% 88.6%
80歳以上 91.6% 89.9%
東京都全体 69.3% 61.3%

ワクチン接種実績 東京都福祉保健局

注目すべきは、39歳以下の若い世代でも1回目のワクチン接種率は60%を超えていること、20代も間もなく2回目の接種率が50%に達すること、12〜19歳の接種率も高いことが挙げられます。

東京都では、若い世代まで一気にワクチン接種が進んでいる様子が見受けられます。

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大阪府のワクチン接種率

大阪府の2021年10月3日時点の接種率は以下の通り。

年齢 1回目 2回目
12〜39歳 47.1% 30.6%
40〜59歳 66.9% 54.8%
60〜64歳 78.4% 72.8%
65歳以上 88.8% 87.2%
大阪府全体 61.2% 52.2%

大阪府/ワクチン接種状況等について

大阪府のワクチン接種率の発表は、大雑把な年齢区分のデータしか見つけられませんでした。

ざっくりでの比較になりますが、40〜59歳で1回目・2回目ともに東京都より10ポイント程度低く、12〜39歳では1回目・2回目ともに東京都より15ポイント程度低いように見受けられます。

VRSに登録できていない割合が高い可能性もありますが、東京都に明らかに差を付けられていることは間違いないと思われます。

特に感染者数が多いと言われている20代・30代で、東京都より15ポイント程度低いワクチン接種率となっていることは、感染者数に影響がありそうに思えます。

京都市のワクチン接種率

京都市の2021年10月7日時点の接種率は以下の通り。

年齢 1回目 2回目
12〜19歳 47.10% 24.01%
20〜29歳 61.05% 42.66%
30〜39歳 62.85% 43.49%
40〜49歳 69.81% 51.95%
50〜59歳 78.73% 63.98%
60〜64歳 83.43% 75.86%
65歳以上 89.62% 86.52%
京都市全体 68.15% 56.33%

京都市:新型コロナウイルスワクチン接種について

京都府の年齢層別のワクチン接種率が見つけられなかったので、京都市のデータを持ってきました。

京都市のワクチン接種率は、全体的に大阪府より高く、東京都より低い値です。20代・30代で1回目が60%以上、2回目が40%以上あり、大阪府との比較では10ポイント以上高いと見られます。

沖縄県のワクチン接種率

沖縄県の2021年10月3日時点の接種率は以下の通り。

年齢 1回目 2回目
10~19歳 51.3% 28.6%
20~29歳 52.5% 34.1%
30~39歳 60.4% 42.5%
40~49歳 69.6% 55.0%
50~59歳 76.8% 65.1%
60~69歳 83.9% 78.8%
70~79歳 91.5% 88.9%
80~89歳 89.5% 86.9%
90~99歳 85.8% 82.8%
100歳以上 73.3% 71.1%

新型コロナウイルスワクチンの県内接種状況 沖縄県保健医療部ワクチン接種等戦略課

人口の割に感染者数が多い沖縄県ですが、各年齢層のワクチン接種率は京都市と近いように見えます。10代の接種率については京都市より4ポイント程度高い。しかし、20代の接種率は京都市より8.5ポイント程度低く、人口の割に感染者数が多い一因となっているのかもしれません。

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20代・2回目接種率の比較

感染者数が多いとされている20代の2回目接種率を比較してみます。

地域 2回目接種率
東京都 48.8%
大阪府 30.6%
京都市 42.66%
沖縄県 34.1%

大阪府のみ12〜39歳の集計でのデータを掲載していますが、それを踏まえても東京都と大阪府の差は15ポイント以上あると見られ、東京都と沖縄県の差も15ポイント近くあります。

ちなみに8月に感染者数がピークを迎える頃、8月16日時点の京都市の20代・2回目接種率は8.80%でした。2ヶ月も経たない短期間でワクチン接種率を高められているのは驚きです。

人口10万人あたり感染者数

2021年10月9日までの1週間の感染者数を人口で割って算出した、人口10万人あたりの1週間の感染者数は以下の通り。

地域 人口10万人あたり感染者数
東京都 6.54人
大阪府 12.16人
京都市 7.56人
沖縄県 11.46人

新型コロナウイルス感染者数の推移:朝日新聞デジタル

京都市のみ、京都市発表の感染者数と人口から算出しました。

全国的に感染者数が減少している状況なので差は小さくなっていますが、比較した4地域の中で、20代のワクチン2回目接種率が40%を超えていた東京都と京都市は人口10万人あたりの感染者数(1週間の集計)が7人前後に抑えられ、20代のワクチン2回目接種率が30%台前半までに留まる大阪府と沖縄県は12人前後ある状況です。

ワクチン接種率が高いほど感染者数が抑えられると見て良いのではないか

もちろん、ワクチン以外にも県民性とか文化の違いとかも影響している可能性があります。

しかし、ワクチン接種率と感染者数のデータからは、ワクチン接種率が高いほど感染者数が抑えられると見て良いのではないでしょうか。

各地域のワクチン接種率の進捗の差については、自治体の仕事の早さ、医師の確保のしやすさ、会場確保のしやすさ、報道の違い、などが関連しているかと思います。

それでも当初は1日に100万回のワクチン接種なんて無理じゃないかと言われていた状況から、1日に100万回を遥かに上回る接種スピードでワクチン接種が進んできているので、進捗については各地域でやや差があっても順調だと言えるでしょう。

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第6波は来たとしても小さいのではないか

前述したように、8月16日時点の京都市の20代の2回目接種率は8.80%でしたが、10月7日時点では42.66%まで高まりました。

第5波が20代の2回目接種率は8.80%の頃に感染者数を伸ばしていたのに対して、第6波が来る頃には20代の2回目接種率は50%以上に接種率が高まっているでしょう。

そうすると感染者数は増えにくく、2021年8月から9月にかけてのように医療崩壊するほどの感染者増加には至らないのではないかと思います。

コロナ前の生活に戻れるのはいつ?

個人的には、2021年から2022年にかけての年末年始頃にはコロナ前のような生活に戻れるんじゃないかと期待しています。

2021年10月9日時点で、直近1週間の人口10万人あたりの感染者数は大阪府と沖縄県を除いて10人以下にまで抑えられているので、市中で感染者に接触する可能性は低くなっています。

また、今後もワクチン接種率は高まり、2回目接種を完了する人が7割を超えてくるのが確実な状況です。

諸外国を見ると、ワクチン接種を完了した人が6割程度になった国では様々な制限が解除され、多くの人が集まるスポーツイベントでもマスクをしている人がほとんどいないような状況を見かけます。日本はかなり慎重に制限緩和に向けて動いているので、人々の行動がコロナ前のように戻るにはもう少し時間がかかると思いますが、すでに日本も2回目のワクチン接種を完了した人が6割に達しており、ワクチン接種においては同じ水準に来ています。

また、これまでのコロナ渦での世間の雰囲気の揺れ動きを見ていると、2〜3ヶ月で雰囲気は大きく変わります。このまま感染者数を抑えられたとして、世間の雰囲気が変わってくるのが11月頃。そして秋の観光シーズンを超えても状況が悪化することがなければ、年末年始頃にはコロナ前に近い生活が戻ってくるのではないかと思います。