Lightning接続のiPhone/iPad用オーディオインターフェイスを比較
気軽にエフェクターをかけてギターを弾ける環境を整えようと思って、iPhone/iPad などの iOS デバイスや、PC/Mac のアンプシミュレーターを利用するためのオーディオインターフェイスの購入を検討しています。
条件は、iOSデバイスへのLightning接続 と PC/MacへのUSB接続 ができること。
最近 iPhone 7 を使い始めたので、イヤホンジャックへ接続するオーディオインターフェイスではなく、Lightning接続ができるオーディオインターフェイスが必要です。さらに、できれば「Lightning – USBカメラアダプタ」を使わず直接Lightning接続できるオーディオインターフェイスの方がシンプルに接続できて良いです。
Lightning接続ができるオーディオインターフェイスは複数社から出ていますので、AD/DAコンバーターなどの仕様や入出力の装備、携帯性、そしてアンプシミュレーターとしての活用に重要なバンドルソフトウェアの違いをまとめてみました。
IK Multimedia iRig シリーズ
iRig シリーズの IK Multimedia からは3製品をピックアップ。
iRig HD 2
2016年9月発売の「iRig HD 2」は、デジタル接続の初代製品である「iRig HD」の後継品となるオーディオインターフェイス。
24bit/96kHzに対応していているので、音質的なスペックは十分です。
ギター用の入力端子とギターアンプ接続用の出力端子が装備されていることと、付属ソフトが AmpliTube のみとなっているので、ギタープレイ向けの製品です。
僕も実際に「iRig HD 2」を購入しまして、「iPhone 11 Pro」に接続して「AmpliTube」や「JamUp Pro」などのアンプシミュレーターアプリを使ってギター練習などをしています。
レイテンシーなども気になるところはなく、簡単に接続して良い音質でギター演奏を楽しめています。
主な仕様
- 24bit/96kHz AD/DAコンバーター
- 1/4インチモノラル標準端子入力
- 1/4インチモノラル標準端子出力
- 1/8インチステレオヘッドフォン出力
- サイズ:39mm x 99mm x 21mm
- 重量:51g
特徴的な機能
- LightningケーブルとUSBケーブルが同梱されていて iPhone/iPad/PC/Mac で使用可能
- FX/THRUスイッチの切り替えでエフェクトサウンドとドライサウンドの切り替えが可能
- マジックテープでマイクスタンドに設置可能
- iRig PowerBridgeを使用することで「iRig HD 2」の使用中もiPhone/iPadへの給電が可能
付属ソフト
- AmpliTube 4 for Mac/PCが付属(製品登録後、ユーザーエリアからダウンロード提供)
- AmpliTube FREE for iOSの機能制限解除により、AmpliTube for iOSフルバージョンの機能が利用可能
iRig Pro DUO
2015年11月発売の「iRig Pro DUO」は、オーディオの2イン2アウトとMIDI入出力を備えたオーディオインターフェイス。オーディオの入力は48Vファンタム電源対応のコンボジャックが採用されていて、ギターからマイクまで様々な機器を接続できます。
2ch入力をサポートする関係からか24bit/48kHzまでの対応となっていて、「iRig HD 2」や「iRig Pro I/O」と比較すると音質的なスペックは劣りますが、2ch入力が必要なら「iRig Pro DUO」を選択することになります。
付属ソフトは、AmpliTubeのほか、ボーカル用エフェクトやピアノ音源、「SampleTank 3 SE」などがあり、音楽制作全般をカバーする内容になっています。「iRig Pro DUO」に付属するAmpliTubeはフル機能ではないので、すべてのアンプやエフェクターを揃えるには追加購入が必要です。
主な仕様
- 24bit/48kHz AD/DAコンバーター
- 1/4インチ標準/XLRコンボ入力×2
- 1/4インチバランス標準端子出力×2
- 1/8インチステレオヘッドフォン出力
- MIDI入出力
- サイズ:75mm x 127mm x 37mm
- 重量:197.2g
特徴的な機能
- LightningケーブルとUSBケーブルが同梱されていて iPhone/iPad/PC/Mac で使用可能
- 2チャンネル同時録音やステレオ録音が可能
- 48Vファンタム電源対応
- 単3乾電池2本、USBバス・パワー、AC/DCアダプタによる給電が可能
- ダイレクトモニター機能
- MIDI入出力を装備していて外部MIDI機器の接続が可能
付属ソフト
- 「AmpliTube FREE for iOS」の機能制限解除により、Metal W、Metal 150のアンプ2機種と、Wharmonator、X-Flangerのストンプ・エフェクト2機種が利用可能
- ボーカル用エフェクト&レコーディング・アプリ「VocaLive FREE」
- 野外録音やインタビュー、スピーチや講義の録音に便利な「iRig Recorder FREE」
- 「SampleTank FREE」の20個の無料サウンドに加え48個の特典サウンドが利用可能
- マルチ・ベロシティ対応ステレオ・ピアノ音源「iGrand Piano FREE」に加え特典サウンドが利用可能
- ギター/ベース用アンプ&エフェクト・ソフト「AmpliTube Metal」
- ミキシングやマスタリングに使える「T-RackS Classic」
- サウンド&グルーブ・ワークステーション「SampleTank 3 SE」
- SampleTank 3用拡張音源「The Grid」が付属する他、Beatsシリーズ、Elektronikaシリーズの中からお好きな5タイトルを選択可能
- Custom Shopで使える 25 Gear Credits
iRig Pro I/O
2017年春発売予定の「iRig Pro I/O」は、「iRig Pro」の後継機種となるオーディオインターフェイス。
XLRと標準ジャックの両方が接続できるコンボ端子を1つ装備しているので、マイクやギターなどを1系統接続することができます。
またMIDI入出力も備えており、MIDIキーボードを接続しての演奏や、MIDI音源を制御することもできます。
AD/DAコンバーターは24bit/96kHzまで対応していて、音質的に十分なスペックを備えています。
オーディオの出力はステレオヘッドフォン出力のみなので、ギターアンプへの接続には少し工夫が必要になります。
付属ソフトは、AmpliTubeがiOS用とMac/PC用ともにフル機能で使えるのに加えて、「SampleTank 3 SE」「T-RackS Deluxe」「Mic Room」もついてくるので、総合的な音楽制作に使えそうです。
主な仕様
- 24bit/96kHz AD/DAコンバーター
- 1/4インチ標準/XLRコンボ入力×1
- 1/8インチステレオヘッドフォン出力
- MIDI入出力
- DC IN(AC/DC電源アダプタは別売り)
- サイズ:43mm x 127mm x 37mm
- 重量:120g
特徴的な機能
- LightningケーブルとUSBケーブルが同梱されていて iPhone/iPad/PC/Mac で使用可能
- 48Vファンタム電源対応
- 単3乾電池2本、USBバス・パワー、AC/DCアダプタによる給電が可能
- AC/DCアダプタ使用時はiPhone/iPadへの充電が可能
- MIDI入出力を装備していて外部MIDI機器の接続が可能
付属ソフト
- AmpliTube 4 for Mac/PCが付属(製品登録後、ユーザーエリアからダウンロード提供)
- AmpliTube FREE for iOSの機能制限解除により、AmpliTube for iOSフルバージョンの機能が利用可能
- サウンド&グルーブ・ワークステーション「SampleTank 3 SE」
- ミキシングやマスタリングに使える「T-RackS Deluxe」
- マイクロフォン・モデリング・アプリ「Mic Room」
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LINE6 SONIC PORT シリーズ
LINE6 でLightning接続とUSB接続ができるのは「SONIC PORT VX」の1製品のみ。
SONIC PORT VX
コンデンサーマイクを内蔵するところがユニークなオーディオインターフェイス。AD/DAコンバーターは24bit/48kHzまでの対応にとどまりますが、ギター用としては入出力が充実しているのが良いポイント。
アンプシミュレーターはSonic Portを接続することで使用できるiOSアプリの「Mobile POD」との組み合わせが想定されていて、Mac/PC向けの付属ソフトはありません。
主な仕様
- 24bit/48kHz AD/DAコンバーター
- ステレオ/モノ・コンデンサーマイク内蔵
- 1/4インチ標準入力
- 1/8インチステレオ・ライン入力
- 1/4インチバランスステレオ出力
- 1/8インチステレオヘッドフォン出力
- サイズ:56 x 46.5mm x 153mm
- 重量:0.2kg
特徴的な機能
- LightningケーブルとUSBケーブルが同梱されていて iPhone/iPad/PC/Mac で使用可能
- USBバスパワーで動作
- USBパワーサプライを接続するとiOSデバイスへの給電も可能
付属ソフト
- Mobile POD(iOS用アプリ)
宅録に最適な「iRig Pro DUO」「iRig HD I/O」
宅録での使用がメインで、マイク・ギター・キーボードなど様々な機器を接続する方は「iRig Pro DUO」、ギターの接続がメインとなる方は「iRig HD I/O」を選ぶのが良さそうです。2製品とも付属ソフトが豊富で、MIDI入出力にも対応しています。
ギター演奏に最適な「iRig HD 2」「Sonic Port VX」
「iRig HD 2」と「Sonic Port VX」は、ギターアンプへの接続に適した出力があり、ライブでのギター演奏での使用に向いています。ただしこの2製品に付属するソフト・アプリはアンプシミュレーターのみとなります。
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ライブの際にあると便利なフットペダル
iPhone/iPad のアンプシミュレーターアプリを使用してライブをする際には、パッチ切り替えが課題となりますが、Bluetooth接続のフットペダルを使用することでパッチ切り替えが可能になります。
IK Multimedia iRig BlueBoard
Positive Grid BT-2
Positive Grid BT-4
ライブでの使用を考えると金属製の「Positive Grid BT-4」が良さそうですが、人気のようで品薄で入手しづらい状況なので、入手を急ぐなら「IK Multimedia iRig BlueBoard」になりそうです。
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