大和屋暁さんの「ジャスタウェイな本」を読んだ感想・書評

大和屋暁さんの「ジャスタウェイな本」を読んだ感想・書評

ジャスタウェイの馬主である大和屋暁さんの著書、「ジャスタウェイな本」を読みました。書評というほどでもないですが、感想を書きます。大和屋さんは銀魂などのアニメや烈車戦隊トッキュウジャーなどの戦隊物の脚本家として活躍されている方です。

ジャスタウェイな本 (競馬ベスト新書)

馬主を目指す人には大変参考になる

書き出しはジャスタウェイのデビュー戦から始まります。

ジャスタウェイのデビュー当日、スーツを着込み馬主席へ向かった大和屋さんは、馬主席の入り口で止められたそうです。馬主になっただけでは馬主席に入れないんですね。こういったことは馬主の知り合いがいないと教えてもらえなかったりするようです。

馬主になって活動する上で必要なのは馬の知識だけではなく、様々な手続きを知っておく必要があるということです。自分でできる人はいいですが、そうでない場合は手助けしてくれる知り合いがいるかどうかということが重要になりそうです。

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セレクトセールのセリの模様を紹介

競走馬となる若駒のセリが行われるセレクトセールの場面では、初めて参加したセレクトセールの回想も出てきます。会場にはタダ飯が並び食いまくるのですが、目的は馬を買うこと。

しかし、馬主資格を取得して最初の2年は馬を買うことができず、3年目にようやく落札出来た馬は、落札した翌年に心臓発作で亡くなるという悲しい出来事も経験されています。

馬主をやる中で、購入した馬が出走できずに終わってしまうことも少なくはないようで、そのリスクや覚悟は折り込んでおく必要があります。

須貝尚介調教師との出会いと飲み会

須貝尚介調教師が厩舎を開業したのは2009年、ジャスタウェイが誕生した年です。まだ須貝調教師が調教師としては駆け出しの頃に大和屋さんと出会い、ジャスタウェイを引き受けたということです。

今ではゴールドシップ、ジャスタウェイ、ローブディサージュ、レッドリヴェールと4頭のGⅠ馬を育てていて、依頼が殺到する須貝調教師ですが、当時は重賞未勝利で大きな実績はなく、すんなりと受け入れられたそうです。そして、ジャスタウェイの出走前後には、作戦会議・反省会などと称して飲み会が開催したそうです。須貝調教師とのやりとりは特に面白く書かれているので、須貝調教師ファンの方にもおすすめです。

事が大きくなるに連れて忍び寄る大人の事情

2013年、ジャスタウェイは天皇賞を勝ち、2014年のドバイデューティーフリー、安田記念も勝利。国内海外あわせてGⅠを3勝します。そうなると周囲が騒がしくなります。競馬に興味がなかった人にローテーションを言いたい放題言われたり、金くれ金貸せという人が現れたり、大変であることは想像できます。

また、ジャスタウェイの金融資産としての価値が大きく上昇したわけで、保険の話や種牡馬入りの条件に関する話も出てきます。種牡馬入りの話し合いの内容は詳細には記されていませんが、「えぐえぐな交渉」があったとのことです。この辺りは当事者にしかわからないことですが、億単位の金額が動くことなので、交渉は一筋縄にはいかないということだと思います。

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成功の秘訣

大和屋さんは馬主として、とんでもないサクセスストーリーを進んでこられたわけですが、そこには成功の秘訣があったそうです。その秘訣は「ジャスタウェイな本」を読んでお確かめください。

僕はこの本を読んで競馬の見方がさらに広がりました。ジャスタウェイのファンの方はもちろん、馬主を目指す方、須貝調教師ファンの方にもおすすめできる本です。

大和屋さんの馬主としての今後の活躍にも期待しています。

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