Parfaitの初フルアルバム「Step」を聴いた感想

Parfaitの初フルアルバム「Step」を聴いた感想

2018年1月17日、アイドルグループのParfait(パルフェ)が初のフルアルバムとなる「Step」をリリースしました。新曲だけでなく過去の曲を全て収録し「リマスタリングを経てパワーアップした状態でお届け!」ということで、聴いた感想を書きます。

ちなみにParfaitをご存知でない方に説明すると、Parfaitは2015年に結成した東京都中心に活動する女性アイドルグループで、メンバーは西山野園美、西山乃利子、小池舞、工藤聖奈の4人となっています。

収録曲

  1. Brand New Story!!
  2. カラフル☆メロディ
  3. Precious Days
  4. everlasting
  5. 君と夢を
  6. STAR DRIVE
  7. Step by Step!
  8. 蒼の彼方へ
  9. SKYLINE
  10. Just for You
  11. 夢のショーケース〜ユニコレの歌〜(Parfait ver.)

1〜4曲目は2016年10月29日リリースの「虹の先へ」からの再録で、この時は旧メンバーの荘司里穂ちゃんが在籍していた時代です。5〜8曲目は現在の4人のメンバーで収録された2017年3月19日リリースの「ASTRONAUTS」からの再録。9〜11曲目は今回初収録となります。

1〜10曲目までの作曲者は、村山シベリウス達彦さん。多くのアニメ・アイドルの楽曲の作曲をされているほか、ベーシストとしても活躍されています。11曲目はボーナストラックで、早川博隆さんと宇田川翔さんとなっています。

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演奏陣の変化

1枚目のミニアルバム「虹の先へ」

Produced by 村山シベリウス達彦
electric guitar:ゆだや

上記2人での制作だったようで、ベースとギター以外は基本的に打ち込みであったと思います。

2枚目のミニアルバム「ASTRONAUTS」

ベース・ギターはそのままで、「蒼の彼方へ」のみアコースティックギターで村山シベリウス達彦さん、バイオリンで天野恵さんが入っています。

今回のフルアルバム「Step」

今作はメンバーが大きく変わりました。
11曲目はボーナストラックのため省きますが、以下の通りです。

Sound Produce: 村山シベリウス達彦
Drums: 坪井総士(01〜10)
Electric Guitar: ゆだや(01〜09)
Electric Guitar: 魚住有希(10)
Piano: 長﨑祥子(01〜10)
Organ: 長﨑祥子(03)
Violin: 天野恵(08)

大きな変化は全曲にドラムと鍵盤のプレイヤーが入ったこと。そのため、ミニアルバムの曲と比べると演奏するフレーズが変わっていたり、よりライブ感を感じられます。

ギターは、1〜9曲目までがゆだやさんで、10曲目のみ魚住有希さん。ミニアルバムから再録となる1〜8曲目まではギターのフレーズに変化がなく、過去に収録した音源を使っているようです。
新録となる「SKYLINE」は引き続きゆだやさんですが、10曲目の「Just for You」は魚住有希さんとなりました。魚住有希さんは、2017年9月のParfaitワンマンライブでもギターを担当されていました。

ゆだやさんについて調べていてゆだやさんのTwitterを見たところ、どうやら闘病されているようで、魚住有希さんへバトンタッチになったようです。Parfaitの楽曲で聴くゆだやさんのギタープレイが結構好きだったので、ゆだやさんの復帰に期待したいところです。

ミックス・マスタリングの変化

ボーカルの高音が抑えられた

過去2作のミニアルバムと今作のフルアルバムを比べると、フルアルバムはボーカルが全体的に引っ込んだというか、抑え込まれたように感じました。高音が出ていない感じです。ミニアルバムではボーカルがめちゃくちゃ前に来ていて、アイドルっぽいキラキラ感があって良かったのに、それがスポイルされたのは残念です。

実はミニアルバムのボーカルは大きくしすぎていて適正に修正したとかなのかもしれませんが、ミニアルバムと比べてフルアルバムのボーカルは全体的に物足りない感じがします。

ドラムと鍵盤の生演奏

ミニアルバムでは打ち込みだったドラムと鍵盤がプレイヤーによる演奏に変わり、音は大きく変わりました。

ドラムで言えば「everlasting」のイントロが分かりやすいと思います。全然違いますよね。これだけ音が違うと全体のバランスにも影響するはずで、印象がだいぶ変わりました。

鍵盤は「蒼の彼方へ」のイントロが空気感たっぷりになったのが良くなったところですね。あの雰囲気は鍵盤奏者じゃないと出せないと思います。

新旧どちらが良いか?

ミニアルバムからの再録となる8曲について、個人的に新旧どちらが好みかをまとめてみます。

【旧】Brand New Story!!

ミニアルバム版の方が良いと思います。フルアルバム版は声のトーンが落ちすぎて…
「輝き出す キラキラした 私達のStory」なんだから声もキラキラしていて欲しいですね。

【新】カラフル☆メロディ

これは坪井総士さんのドラムがすごいハマっていますね!声のキラキラ感で言えばやっぱりミニアルバム版の方が良いのですが、フルアルバム版でも違和感はあまりなかったです。

【旧】Precious Days

フルアルバム版は全体的に篭った感じがして気に入りませんでした。

【旧】everlasting

この曲はソリッドな感じの演奏が合っていると思っていて、ミニアルバム版のタイトなドラムやあっさり目のシンセが良いと思います。

【新】君と夢を

Bメロのメロウなところは、フルアルバム版の抑え気味な声が合うところ。鍵盤のアレンジも入ってフルアルバム版の方が良いと思いました。

【新】STAR DRIVE

パンクロックな曲なので生バンドの演奏が合いますね。イントロの鍵盤と聖奈ちゃんの声も大人っぽくなっていて良い感じです。Aメロのジリジリした感じのベースも良いです。

【旧】Step by Step!

こちらもロック系の曲なので生バンドの方が合うと思うんですけど、サビ以外を各メンバーのソロにしたことで歌唱力がモロに出る形に…
ライブでは各メンバーのソロがあって良いんですけど、収録となると、もっと歌唱力を上げるか上手く加工してあげないと厳しいかも。というか、他の曲でもソロはあるのにこの曲だけすごい目立つ。

【新】蒼の彼方へ

やさしい音色のピアノが良い曲。ソロパートも問題なく聴けます。後半ちょっとシンバルがうるさいと感じたけど、聴く環境によっては気にならないかも。

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Parfaitの初フルアルバム「Step」を聴いた感想

全体的な印象としては、バンドサウンド中心で作られたような感じがして、ミニアルバムと比べるとParfaitメンバーの魅力が引っ込むような感じがありました。「Parfait」として出すアルバムなので、もっとParfaitメンバーの声が目立つ方が良かったと思います。

というのも、僕はParfaitの2枚のミニアルバムがすごく好きなのです。結成から2年ほどの駆け出しのアイドルがリリースしたミニアルバムとしては完成度が高く、音も自分好みなので何回も聴きました。自分の音楽の趣味に合う「聴けるアイドル」ってなかなかないんですよね。「ももクロ」以来でした。

今回「既にCDに収録済みの音源も一部録り直し、リマスタリングを経てパワーアップした状態でお届け!」という触れ込みで期待していたのですが、期待とは違う方向だったのでちょっと残念だったのです。

僕は音楽関係者でも何でもなくて、楽器をかじったことがある程度のParfaitファン(ファン歴10ヶ月程度・ライブ4回参加)なのですが、もしParfaitの関係者の方がこの文章をご覧になっていたら、「こういう意見もあるんやね」ぐらいに思っていただければ幸いです。